■任意売却のメリットとデメリットを教えてください
「住宅ローンを払い続けられなくなった。債務を整理・軽減する方法のひとつとして任意売却という方法があることを知った。けれど、任意売却に対してどんなメリットやデメリットがあるのか、いまひとつわからない」という意見をよく耳にします。
詳細についてはこのサイト内で、そしてこのブログでもいろいろと解説していますが、全体的なガイダンスを簡単にまとめたいと思います。
■任意売却は債務を圧縮・相殺するための救済策
まず、任意売却とは何らかの事情で住宅ローンを払い続けられなくなった人を経済的に「救済」するために設けられた制度だということをご理解ください。原則として競売よりも不利な点は何もないのです。
■任意売却の原則
任意売却とは、債権者の同意を得た上で、ローンの残った自宅を売却することです。
競売とは強制的に不動産を差し押さえ売却してしまう制度ですが、「競売物件」というだけで不動産の価値は下がり、売却しても多額の債務が残ってしまうケースがほとんどです。もちろん残債についても支払義務が残るという、踏んだり蹴ったりの状況においやられます。
それに対して任意売却は関係者全員が「ローンを払い続けることができない以上、住宅を売るのはしょうがないにせよ、みんなで協力して少しでも高く売った方が全員が得ではないか」という申し合わせをし、抵当権を解除したり少しでも有利な条件で買ってくれる買主を探したりして、債権者はより多くの債権を回収し、債務者は債務をできるだけ圧縮するという問題解決策です。
■任意売却のメリット
・競売よりも高値で不動産を販売でき、債務が大幅に圧縮できる
・競売よりも早期に問題解決できるので、遅延損害金の発生を抑えられる
・債権者に対して協力的な姿勢を見せることで、売却後の残債の返済についても柔軟な対応を引き出しやすい
・物件によっては、残債どころか売却差額が手元に残る場合がある
・仲介する不動産業者によっては、住宅売却後に借家などに引っ越すための費用も売却代金から捻出できる場合がある
■任意売却のデメリット
・自己破産に比べ、売却後の残債が残った場合、返却義務を完全に免れるわけではない
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繰り返し申し上げますが、任意売却は債務者への「救済策」ですから、競売に比べて特にデメリットはありません。しかし自己破産のようにすべての債務から解放されるというわけではありません。
とはいえ、任意売却後は債務が膨れることもなく、ローンの滞納に悩むこともなく、新たな経済的再出発に専念できるという前向きのメリットがあります。
さらに、手放した自宅を再び買い戻せる「リースバック」や「身内間売買」などの手段も残されています。
債務整理の方法はいろいろありますが、おおむねのケースでは任意売却がいちばん痛みの少ない対処法です。もちろん実際の対策としてはそれぞれの事情に応じて他の対策を講じる場合もありますが、まずは任意売却を検討してみることをお勧めします。
なお、私たちの無料相談ではお客様の個別の事例に即したベストの対処法について詳細にご案内しています。