過払い金とは

■過払い金とは
借金の金利については、かつて「利息制限法」と「出資法」のふたつの法律で監督されていました。貸金業者(いわゆるサラ金業者)はこのふたつの法律のスキ間を突いて罰則発動ギリギリの高率な金利を設定しており、これがいわゆる「グレーゾーン金利」と呼ばれています。
しかし2010年までに各種の法改正が行われ、グレーゾーン金利で発生した利息と政党な利息の差額分は無効となり、もし債務者の返済総額が元金+正当な利息を上回っていた場合、差額を返還請求できるようになりました。
これが一般に払い過ぎたお金=「過払い金」と呼ばれるものです。

■利息制限法と出資法
□利息制限法とは

利息制限法とは、借りたお金の金額に応じて最高金利率を定め、それ以上の利息を設定した場合、超過分は無効となり債務者に支払の義務はないと定める法律です。
ただし2006年改正以前の法律では「超過部分を債務者が任意で支払った場合はその返還を請求する権利はない」と規定されていました。(2006年改正で削除)

□なぜグレーゾーン金利がはびこったのか
現実問題としてサラ金のカードなどで借金をした場合、利用者は業者の定めた金利を支払わなければカードが使えなくなりますから、法定金利以上であることを知っていても利息を含めて「任意で」返済し続けなくてはなりません。これがグレーゾーン金利のはびこる原因となったのです。

□出資法とは
出資法には、貸金業者が年率29.2%を超える利息契約をした場合は「5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」という厳しい罰則があります。
このため、貸金業者の多くは罰則が発動するスレスレの28~29%ラインの利息を設定していたのです。
ただし2010年にこの上限金利は20.0%と改められました。

■貸金業規制法と「みなし弁済」
金融業者の利益を守るための「貸金業規制法」という法律があります。
金融業者は貸金業法上の登録を受けていれば、本来無効なグレーゾーン金利を受け取っても返還を請求されないという貸金業法上の優遇措置を受けていました。これがいわゆる「みなし弁済」です。ただしこの条項は2009年に廃止されました。

なお、なぜ貸金業者の利益を守る法律が必要だったのかというと、監督官庁の目の届かないところで「闇金」がはびこることを防ぐ狙いがあったためです。きちんと登録を受けた貸金業者にはグレーゾーンというお目こぼしがある代わりに業者同士が闇金を監視するという「自治力」維持のために貸金業規制法はあったのですが、これがあまりに消費者の利益を損なうということで上記のような一連の大幅な法改正が行われました。

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以上が「過払い金」を巡る法的背景と経緯です。
長年サラ金への支払いを続けてきた人は自分の「過払い金」がいくらかを計算し、それを借金残額と比較して相殺したり、さらに返還請求できる可能性も十分あります。
「長年返済を続けているのにちっとも借金が減らない」という人はすぐ専門家に相談してみましょう。

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