■任意整理とは
任意整理とは裁判所などを通さず、債務者と債権者との間で「従来どおりの返済を継続することは困難だが、返済の意志はあるので、緩やかな返済条件に変更してもらえないか」という話し合いを行い、合意に至れば新たな条件での返済を行うという制度です。
■任意整理のポイント
□任意整理には債権者が応じる義務はない
任意整理はあくまでも債務者と債権者の合意のもとに行われる話し合いですから、債権者が「任意整理には応じられない。あくまで最初の契約通り返済を遂行してもらいたい」と主張すれば任意整理は成立しません。
□一定の収入見込みがあることが条件
しかし債権者側も「多少は条件面で譲っても、返済の意志があるというのなら破産されるよりもマシ」という事情もあり、債務者に今後一定の収入が見込まれ、その中から現実的に返済が可能であるという見極めがつけば、話し合いの上新しい条件での合意に至る可能性は十分にあります。
□弁護士など法律の専門家の手助けを
債務者は多くの場合法律の専門知識が少なく、また立場の弱さもあって債権者と対等に話し合いを行うことは難しいでしょう。そこで弁護士など第三者で中立的な立場の法律の専門家を交渉の代理人として立てるなどの工夫が必要となります。
□自分で責任を背負い込み過ぎない
「自分の責任でこしらえた借金なので、すべて自分の努力と誠意で問題解決にあたる」という債務者もおられますが、それでは任意整理本来の目的である「債務者の再建と救済」が果たせなくなる可能性があります。その点を十分配慮しましょう。
■債務の内容を洗い直す
□債務の内容を専門家に相談してみる
任意整理に着手する前に、まず自分の債務の内容が債権者の主張通りなのかを法律に照らし合わせて確認しておく必要があります。
たとえば金利が法定金利を上回っていた場合、利息の引き直し計算によって残債が大幅に減ったり、計算上はゼロあるいは過払いをしていたというケースもあるからです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
任意整理がうまく合意できれば債務の圧縮や返済条件の緩和など、債務者にとって返済しやすい条件が整えられます。ただし債権者には「少しでも多く、少しでも早く債権を回収したい」という意向があるため、大幅な譲歩や条件緩和を得るのはなかなか難しく、債務者の有利には運びにくいというのが現状です。